まりそのShow Must Go On

演劇/コンサートの記録用ブログです。

Waitress @Brooks Atkinson Theatre

Waitress @Brooks Atkinson Theatre

 

今回のブロードウェイ巡りの中で唯一の新作『Waitress』(新作を1つしか観に行けなかったのは残念でした…お金が欲しいよ!)

 

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唯一の新作でしたが、これが大当たり!

世界観の可愛さでふわっとした作品かと思いきや、不倫がテーマで18禁とまではいかずとも小さい子には見せられない!というミュージカルです。パンチが効いていて素敵。

 

後で知ったのですが、この作品映画がもとで『ウエイトレス~おいしい人生のつくりかた~』を元にミュージカル化されているようです。 

 

ハミルトンに隠れてしまいあまり有名ではありませんが、2016年トニー賞作品賞ノミネートです。

 

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舞台左右にパイタワーがあります。

 

私が観に行った時はJason Mrazが不倫相手のDr.Pomatterを演じていました。気分はJason Mrazのコンサートです(笑)(2度のグラミー賞に輝き、『I'm Yours』で有名な方です。この曲を知っている人は多いはず…。)それもあってかオリジナルメンバーではないキャストでしたが、とにかく歌が驚きのハイレベル。

 

お話は主役のJennaと同じ店で働くBecky、Dawnの3人で進んで行きます。

この3人個人個人が異常に歌ウマ…!!今回のブロードウェイ巡りで作品全体における歌唱力のバランスが一番だったのはWaitressでした。

 

Waitressは「王道ミュージカル」な作りで一人一人わりとしっかり持ち歌があるんですが、全員の歌い方や声色は違えどとにかく上手い!

Jennaは王道、Beckyは太いゴスペル風、Dawnは小さくて声が高い、この3人のバランスが最強でしたね。そしてこの3人の友情がとっても素敵!

 

で、今回の目玉、Jason Mraz

彼の歌声が聴けるのはすごくうれしいけれど…演技はどうなの…とあまり期待していなかったのですが、想像以上によかった…!

そしてJazon Mraz推し推しの宣伝ですが、そこまでDr.Pomatterの出番が多くないのでちょうどいいなという感じでした(辛口ごめんなさい…)。

 

それにしてもJason Mraz、コミカルなDr.Pomatterがハマってました。普段どんな人なのかは全然知りませんが、わりと素に近いのか…?っていうか、この人可愛いな!!なんだこれ!!と彼の魅力にどっぷり漬かれました(笑)

 

あ~ちょっとこのフワフワした感じ、不倫したくなっちゃうJennaの気持ちもわかる…とうっかり感情移入してしまいました。危ない危ない。それくらい素敵。

 

よくよく考えるとこのミュージカル、泥沼ミュージカルでして…(笑)

JennaはDr.PomatterとW不倫で、Beckyも不倫しちゃってますからね…いいのか!?それでいいのかみんな!!(結末は観に行ってのお楽しみということで!)

 

 個人的にこのミュージカルで気に入った曲はDawnの歌う「When He Sees Me」。

これは歌いたいなぁと思う可愛い、コミカルな曲でした。

DawnのオリジナルキャストはKimiko Glennさん。日本人とのハーフの方なんです。親近感。彼女の歌っている「When He Sees Me」よく聴いてます。

 

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そしてこのミュージカルで全てをかっさらっていったのがOgie役(のちにDawnの彼氏)のChristopher。完全なる天才コメディアン。彼を生で見てほしい。

劇場の温度を彼一人で2度くらい上げてました、すごい!(笑)

 

主役を務めていたBetsy Wolfさん、1/12~14にシアトルシンフォニーのBroadway Todayにご出演なさるそうなのですが、ブロードウェイの公演は続くので、キャストが変わるんですかね…?ちょっとその辺は不明です。

 

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それにしてもこのコンサート面白そうだな…行こうかな。

 

個人的にこのミュージカルで特に気に入ったのは、アンサンブルの演出とリアルなパイの演出。

 

アンサンブルの演出は、普通なら黒子っぽくしてしまいそうな所を、Tシャツにジーパンで演じる所。場面転換で人が調理器具の乗ったラックを移動したり(このラックの使い方が上手かった)、Jennaの周りを回るパイを動かしたり、Tシャツにジーパンの人がいるけれど、いないものとして描くのが意外としっくりきました。

 

パイのリアルさへの追及もなかなかで、舞台中に粉が飛んでましたね、あ、舞台面に小麦粉まいちゃうんだ!!と驚きました。溶き卵や牛乳もリアルなので、うっかりこぼしたりしてました…(笑)

 

そしてバーコーナーではJennaのパイが本当に販売されてました!可愛い!

バーコーナーのお姉さんもDinnerの衣装を着てました。

(あ、ここの劇場構造上びっくりするほどトイレが混むのでトイレはお早めに…)

 

最後になりますが、Old Joeがキャラクターの中では一番好きです。

ラストにそっとお店のブラックボードに書かれている『Old Joe's HEAVEN PIE』の文字にウルっときてしまいました。

 

一見可愛いミュージカルですが、濃厚すぎずも味わい深いパイのような作品で、実はちょっぴりビターだったり、最後には「違う甘さ」があったりします。

 

ぜひ劇場で!(来日公演があるといいな…♡♡)